メトロ写真教室

第50回メトロ写真教室 お台場周辺

2022年5月14日 (土) に第50回メトロ写真教室を開催いたしました。
午前中はプロの写真家による講義を行い午後は撮影地のお台場周辺にて撮影会を行いました。
ご参加いただきました皆様が撮影された作品に写真家 中谷氏の講評を添えて掲載いたします。

総評 写真家 中谷 吉隆氏

第50回メトロ写真教室は、コロナ禍での感染者拡大防止のため、参加者を小人数に絞り、安全・安心に注意を払い行われました 当日の午前中は、あいにくの雨模様でしたが、教室での講義を終え、撮影地のお台場海浜公園に向かう午後には雨も上がりました。蒸し暑さはありましたが、ときどき薄日の差す状況となりました。
お台場の海では、ドラゴンレースに備えて、参加チームが太鼓の音にリズムを取り練習に励んでいました。その浜辺周辺に被写体を求めて、皆さんは思い思いの感覚で散策。自由の女神像、モニュメント的にある巨大な鉄製の碇やヒミコ型の水上バスなどを撮り、ダイバーシティ東京プラザ前にあるガンダム立像まで移動して、無事写真教室を終えました。
参加者から提出された作品は、バラエティーに富んでいて素晴らしいものでした。その中から一人一点を選び、講評を付けて発表します。

審査員の詳細はこちら
「並ぶもの」

秋本 由喜子

審査員の個評

亀の甲羅をデザインしたオブジェが林の中に並んでいます。子ども用の遊具でしょうか、ひと休みする腰掛けのようにも見えます。これという光景では無いのですが、切り取られた無人の空間はある意味で不気味でもあります。イメージの膨らみから別の世界に誘います。

「ぼく・がんばるもん」

秋山 輝一

審査員の個評

実物大のユニコーンガンダム立像が再現されていて、高さは19.7メートルもあります。その下を歩く子どもとの対比で、その大きさが分かり、いいタイミングで捉えました。子どもはガンダムにもらった勇気で、これからがんばるぞと心意気を新たにしているようです。

「分かるよ~その気持ち」

池原 ますみ

審査員の個評

雨上がりの午後、しかも海辺とあって湿度は高く、うだるようで人間もうんざりする日でした。いつもの散歩に出かけてきたワンちゃんですが、同様に湿気にやられ足取りも重そう。こんな散歩はいやだよという表情です。この犬はもしかすると作者の化身かも知れません。

「朽ちる時」

内田 勉

審査員の個評

鋼鉄製の巨大な碇や鎖がモニュメント的にいくつか設置されていて、現役時代の活躍ぶりがうかがえます。しかし、浜辺に置かれて長い年月の間に、風化して表面には錆が生じ、次第に朽ちはがれ、やせ細っていっています。ものの哀れに目を止めた一枚としてあります。

「名脇役」

小田桐 良篤

審査員の個評

歩道に貼られている障害者の歩行をサポートするブロック。健常者にとっては何気ない光景ですが、障害者には心強い味方です。まさに歩行の手助けをする脇役に違いありません。舞台や映画、ドラマでも脇役のあり方で主役も生きます。この捉え方には感心しました。

「お台場水面と観覧車」

小竹 康文

審査員の個評

レインボーブリッジ側の台場公園からの光景です。オフィスビルや高層マンションが立ち並び、その後方には、もうすぐ役目を終える大観覧車。海面の揺らぐ様子に趣があり、もしかすると観覧車への遠い思い出を表しているようで、心象的な風景としてあるようです。

「シンボルタワー」

駒井 靖夫

審査員の個評

鋭い先端を持つ物体によって、雲を切り裂き太陽を突き差しているようで、インパクトがあります。シルエットでの捉え方が実にシンボリックになっています。しかも、モノクロームの表現が的確で印象強く、これは「台場のバベルの塔」など、さまざまと想像させます。

「レインボーブリッジゲート通過」

佐野 豊

審査員の個評

ここ臨海副都心は普段からランニングを楽しむ人々で賑わいます。広いエリアですから、コースガイドマップが随所に立てられています。レインボーブリッジとキャラクターを重ね合わせて、ユーモアのある画面を作り上げていて、楽しいショットとなっています。

「ポルシェと鳩」

孝井 哲朗

審査員の個評

最初このタイトルを目にしたとき???という感じでした。しかし画面をよく見ると、右下の賂上にポルシェが停まっていて、画面左上の空間に鳩と、ちょうど対角線上にあり、なるほどネーと納得したものです。無機質的な中にいる鳩の姿が効いた画面となりました。

「『怪船』接近」

吉田 滋俊

審査員の個評

漫画家の松本零士がデザインした水上バス「ヒミコ」は、ユニークなデザイン。浅草からお台場には、船上デッキを備えた「ホタルナ」が周航しています。接岸してくる船をアップで捉え、あたかも宇宙からやってきた怪しい船と見立てたところに、ひとヒネリがあります。

「海辺のパトロール」

李 妍

審査員の個評

お台場の海辺を立ち入り禁止にしたのでしょうか、こんな無人状態をこれまで知りません。コロナ禍の成せる技でしょう。散策の鳩をパトロール中と感じたのは、素晴らしい。海からの闖入者や新型コロナウイルスの変異株を見張っているかと思うと、応援したくなります。

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